福井地方裁判所 昭和49年(わ)176号 決定 1976年7月15日
本籍
大韓民国慶尚南道昌寧郡高岩面大岩里二二八番地
住居
福井県坂井郡芦原町二面第三八号七番地の二
職業
劇場、飲食店経営
三沢政雄こと
曺已封
一九一〇年二月一三日生
右の者に対する所得税法違反被告事件につき、次のとおり決定する。
主文
本件公訴を棄却する。
理由
本件公訴事実は別紙のとおりであるが、福井県坂井郡芦原町長が死亡届書の記載と相違ないことを証明する被告人の妻三沢伊代子の右町長に対する死亡届写によると、被告人は昭和五一年六月九日福井市四ツ井二丁目八番一号において死亡したことが認められる。
よって刑事訴訟法三三九条第一項第四号により本件公訴を棄却することとし、主文のとおり決定する。
(裁判官 宮本増)
別紙
被告人は、昭和四二年五月ころ、福井県坂井郡芦原町温泉三ノ四一六においてヌードショー九頭竜太鼓シヨーの上演を目的とする「芦原ミュージック劇場」を開設経営するかたわら、同四四年より同町温泉三ノ五〇七において喫茶店「ホープ」を開設経営しているものであるが、自己の所得税を免れようと企て、
第一 昭和四六年分の実際所得金額は、一七、七三六、五二六円で、これに対する所得税額は、六、二五八、六〇〇円であるのに、劇場等の売上の一部を除外し、仮名および無記名預金を設定する等の不正手段により、その所得の一部を秘匿したうえ、同四七年二月二六日、同郡三国町三国壱字一二の三の三国税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二、八五六、三四〇円であり、納付する所得税額がなく、還付を受けるべき税額が一九八、六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、同四六年分の正規の所得税額六、二五八、六〇〇円との差六、四五七、二〇〇円をほ脱し、
第二 昭和四七年分の実際所得金額は、三五、七三〇、一四六円でこれに対する所得税額は一六、一〇五、四〇〇円であるのに、前同様の不正手段により、その所得の一部を秘匿したうえ、同四八年三月一五日、前同様三国税務署長に対し、所得金額が三、四八九、四六七円であり、納付する所得税額がなく、還付を受けるべき税額が九二六、二九〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、同四七年分の正規の所得税額一六、一〇五、四〇〇円との差額一七、〇三一、六九〇円をほ脱し
たものである。